野良猫 玄ちゃんのお話

猫日記

我が家に来て数年経つ保護猫の玄くんが、今日2020/11/22脊髄の病気ということが判明しました。

猫風邪からなかなか元気になりきらず、なぜか出血をして、その血が止まらず、何度か病院通いをしていたのですが、とうとうご飯を食べなくなり、体重が急激に減ってしまいました。

弱っているのはわかるけれど、熱もなく、血も止まったのになんでだろうと理由もわからず、念のため病院に行って血液検査をしたところ、赤血球と白血球が激減しており、脊髄系の病気ということがわかりました。(猫エイズと猫白血病の検査もしましたが、陰性でした)

彼は野良で何歳かもわからないし体も小さいので、しんどい検査よりも少しでも楽になってほしいからとステロイド治療にしました。

玄くんが我が家に来た経緯は、ずっと四コマ漫画みたいだなと思っていて、漫画にしたいなーと思っていたくらいだったのですが、覚えているうちに記録に残しておこうと思い、ブログに書くことにしました。楽しく漫画になる前に、こんな形の記録になってしまったのが意外なんですが、それでも書かないよりは書いておこうかなと思った次第です。

アクアリウムのブログって言ってますけど、雑記帳みたいなブログなのでご容赦ください。

玄くんが我が家に来た日

2017年くらいの2月ですごく寒い日の夜でした。

私はそのころの仕事が(事情があるので何とも言い難いのですが)勤務条件などがすごい状態で、9:00-23:30でした。通勤時間もあって、家に帰るのが25:00ぐらいなのが毎日だったのですが、その日はなぜか忘れたんですが、たまたますごく早く帰れた日でした。早いといっても確か21:00頃だったと思うのですが、家族が起きている時間に帰れるのでウキウキしていました。

我が家は駅近のマンションで、駅からマンションに歩いて帰るときから、玄関に誰かいるのが見えました。

暗かったのでわからなかったのですが、年配の男性と猫がマンションの玄関にいました。

どういたんだろうと思っていたら、その人のよさそうな年配の男性(おじいさん)が、猫を撫でていました。

猫は小さくてすごくお行儀よくちょこんと座っていました。撫でても全然嫌がらず、すごく人に慣れていて、飼い猫かなと思いました。

その猫を撫でているおじいさんも自分のマンションの前にいるもんだから住人かなと思って、

私:「かわいい猫ですね」

と声をかけたところ、そのおじいさんが、

おじいさん:「今日は朝から検査でここに来ていたんだけど、いやー、この猫が朝からいるんだよねー」

と言い出しました。

「はあ」と生返事をしながらうちのマンションの人じゃないのか、と思い、しかも住人じゃないのにこの猫は何だろうと持っていたところおじいさんが話をつづけました。

おじいさん:「こんな寒いのにこの子猫はずっとここにいるんだよ」

私:「はあ」

おじいさん:「この寒さだからこの猫が心配で心配で、わたしゃ帰れないよ」

私:「はあ?」

…それはつまり私にどうしろと?

「いやー…、ちょっと私も勝手に決められないので…」

とわたしはおじいさんに言ったもののおじいさんと猫の目線が痛い…。思わず家に電話をしました。。直線で10m先ぐらいなんですが…。

「なんかさ、迷子猫がいてさ、子猫みたいなんだけど、寒くてかわいそうだっていう人がいて、うちで飼えないかな?」

と旦那に聞いたところ、

「…●●(私の名前)がいいならいんじゃないの?」

とOKになりました。

「うちで飼って大丈夫みたいです」

と何とも言えない気もちでおじいさんに言ったら、

「そうー!よかった」

とおじいさんはとてもうれしそうに言って、私は猫を抱っこして家に帰りました。

そうやって玄くんは我が家に来ました。

今考えると、そのじいさんも朝から検査でこの時間までいるっておかしすぎるって思うんですが、まあ、玄くんがちょこんと座っているのが本当に子猫の飼い猫が迷子になったのかと思い、かわいそうだと思ってしまったんですよね。

それがどうやら違うかもしれないと分かったのが、それから少ししてからでした。

こんな処世術もあるらしい猫

我が家に猫が来たことで子供らは大喜びでした。

猫は玄関で拾ったので、玄くんと名付けました。子猫みたいに小さな声で鳴き、本当にちょこんとお行儀よく座り、撫でても全然嫌がらないので、子供たちもすぐに打ち解けました。

次の日、次女が学校から帰ってきたところ、猫の話を学校でしたらみんな知っていたらしいのです。(子供のいう「みんな」はほんとにあてにならない)

次女の話をまとめると、どうやらここ数日の間に、白っぽい猫がこの付近で目撃されていたようで情報が多発していました。

ある友達の家では突然庭に来て、当たり前のような顔して部屋に上がってきて、当然のようにその友達があげたものを食べて出ていったと…。

ここで、うん?となったわけです。

子猫で迷子な子がそんなことするんだろうかと。

おかしいとは思ったんですが、ウィルス検査とかしないと家に上げられないと思い、近所の動物病院に連れて行きました。

そこで一通り検査をしてもらい、猫エイズもなく、ほかにも何かあったかもしれないんですが、とりあえず大丈夫らしいということがわかりました。

「この子猫何歳ぐらいですかね?」

と先生に聞いたところ

「うーん1歳ぐらいかなぁ」

といったのですが、そのあと

「でも歯は全部生えそろってますね」

「へえ…」

と言われ、微妙な気持ちになりました。

先生もそれまでは子猫ということでそんなに異論はなさそうで、大きくなったら去勢をといってたくらいだったんですけどね。

ちょっと怪しいと思ってきたのですが、ほんとに猫は年がわからない。

そのくせ、我が家でもご飯になると子猫みたいに鳴くんですね。

ちょこんと手足をそろえて座って、小さな声で鳴くので、しばらく子猫だろうと疑っていませんでした。

そこからしばらく私が本当に仕事だけになってしまい、朝から深夜まで仕事で休みなし、家にいる時も家で仕事の状態で、猫のことや家のことすら見られない日々が続きました。

でもそれがようやく終わり、財政のこともあって会社勤めになりました。

それが2019年のことでした。

猫のことがみられるようになったのはそれくらいからでした。

時間ができて色々が落ち着いてきたころ、まじまじと玄くんをみたところ、頭や鼻づらがうっすらと剥げていることに気づきました。

しかも肌が汚い。

前から子供らが玄ちゃんの息が臭いといっていたのを思い出しました。そのころには旦那にベタ慣れしていたので、夜中に餌が欲しいと旦那をべろべろとなめ回すのですが、それが臭いと(公害ですね)旦那も言っていたのを思い出しました。

…実はかなり年寄りなんじゃないか説が出てきました。

そしてこのころになっても、まだ玄くんはか細い子猫のような声で鳴くわけです。

もしかしてこいつ、年齢詐称猫なんじゃなかろうかという説が色濃くなってきました。

こういう子猫を装って世の中を渡り歩くという処世術を使っていたのではないか…。

そういうからくり?が見えてきたわけです。

やられたなと思いましたが、まあそれも個性ですね。

彼がシンデレラボーイには変わりません。

ばれてもばれてもなお子猫のように餌をねだる方法を、おっさんになっても使い続ける猫に、まあいっかとなっていました。

処世術が必要なのには理由がある

この子猫戦法を使う玄くんはやはりそれなりの理由があってだと思います。

とにかく体が小さい。

体重が4KGなく、食べても食べても体が小さいままでした。

それでいてもともと野良生活が長い(ばれたから)から、外に出る習性は止められず、毎日のように外に出て行ってました。

それがある日、体の調子悪そうにびっこを引き出しました。

おかしいと思って体を探したところ、後ろ脚の付け根が膿んでいました。

まずいと思って動物病院に行ったところ、逃げようとしたところを猫にかまれたのだろうといわれました。

つまりけんかに負けたと…。

なるほど。

そういうことねとつじつまが合いました。

つまり体が小さくて普通にいていると負けちゃうので、子猫のように詐欺をしながら、人間をだまして餌をもらっていたと…。

…何とも言えない気もちでしたが、そういう彼に騙されて我が家に向かい入れたのも私たち…と思い、生活してきました。

最後に

時間の流れはちょっと記憶が怪しいところはあるのですが、玄くんと我が家の歴史といてはそう大きな違いはないかと思います。

私も仕事の拘束時間が長くて、自分のことがまともにできなくて、記憶がところどころ薄れてしまいました。

玄くんとの生活は、まだまだ短いなーと思います。

まだまだこれからだと思っていたので、もう少し頑張ってほしい。

でも彼が苦しくないのが一番です。彼が我が家で過ごせたことで少しでも幸せだったなら、それに勝るものはありません。

猫と一緒の生活は悪くないなって教えてくれたのも彼ですし(私は犬派)、猫のわりに運動神経があまりよろしくなく、お行儀はよいけれどちょっとおバカな彼との生活はとても楽しかったです。まだ終わりではないですが、私も感謝しかありません。

玄くん最後まで一緒に頑張ろうね。

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